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自然環境実態調査-生物指標種の指標性-

自然環境実態調査-生物指標種の指標性-

カエル類の環境指標性

カエル類は,鳥類・爬虫類等の重要な餌資源であり,また生態系ピラミッドの中では昆虫類を餌としている消費者でもある。カエル類の生息は,高次消費者である鳥類・爬虫類,低次消費者である昆虫類が生存する生態系を示す指標となる。また,種によって生息場所,繁殖時期が異なるなど様々な環境指標性がある。
  1. アカガエル類(ヤマアカガエル・ニホンアカガエル)
     アカガエル類(ヤマアカガエル・ニホンアカガエル)
    特徴
    体長4~8㎝
    体色は茶色または赤茶色。体は比較的細い。手肢に吸盤はない。
    指標性
    アカガエル類は早春に止水域で産卵し,変態すると林の林床で生息する。このため,湿田やため池といった早春でも水が涸れない止水域と林を必要とする。全国的に減少してきているといわれており,その大きな要因としては,こういった止水域や林そのものの減少のほか,繁殖の場である水辺と生活の場である林が,大きな道路やコンクリート水路など移動の障害となるものによって分断されることであるといわれている。この種の生息は,湿田・ため池と林といった環境要素がまとまり隣接していることを示し,生物多様性の高い里山環境の指標となる。

  2. シュレーゲルアオガエル
    シュレーゲルアオガエル写真をクリックすると,声が聞けます。(WAV形式)
    特徴
    体長3~6cm
    体色は黄緑色で,手肢に吸盤をもつ。鼓膜の部分は体色と同じ色である。
    指標性
    本種は樹上性のカエルである。春に止水域で繁殖し,非繁殖期には林で生息することから,ニホンアカガエルなどと同様,水辺と林が隣接した生物多様性の高い里山環境の指標となる。また移動のためには,林が連続していることが必要であり,林の連続性や広さの指標となる。産卵は畦や湿地などの湿った土中で行うため,水域の岸辺の自然度を推し量ることができる。

  3. アマガエル
    アマガエル写真をクリックすると,声が聞けます。(WAV形式)
    特徴
    体長2~4cm
    周囲の状況に応じて体色が灰色になったり,暗い斑紋が出たりする。
    指標性
    本種の繁殖は,水田に水を張っている時期であるため,圃場整備等による乾田化にも比較的耐えられる。また,非繁殖期の生息地である草地や疎林への移動の際に,コンクリート化された水路や建造物があっても,吸盤を持つために乗り越えることができる。このように,東日本に生息するカエルの中では,開発に対して最も適応力のある種である。つまり,本種が見られないような地域は,他の生物にとっても大変住みにくい環境といえる。

  4. トウキョウダルマガエル
    トウキョウダルマガエル写真をクリックすると,声が聞けます。(WAV形式)
    特徴
    体長4~8cm
    背中に縦長の不規則なイボが並び,中央に線がある。体色は茶色と緑色が基本で個体により差がある。
    指標性
    トウキョウダルマガエルは,一般的にトノサマガエルと呼ばれており,水田の代表的なカエルである。平地の水田や湿地,池などに生息し,水辺をあまり離れることがない。近年の減少の原因は,生息地の開発や水田の乾田化によって生息に最適な湿地環境を失ったことである。さらに水路のコンクリート化によって水の流れが速くなって流され,吸盤を持たない本種が落下すると這い上がれない構造となったためといわれている。この種の生息は,水路などの水辺構造についての自然度の高さを示す。また,水田や水路を利用する生物(ドジョウ,メダカ,ヘイケボタルなど)の生息の可能性を示している。


貝類の環境指標性

今回挙げた貝類はホタルの餌となる。ホタルの生息のためには,これら貝類の分布状況のほか,水路の状態,周辺環境などが影響する。
  1. カワニナ類
    カワニナ類
    特徴
    殻の高さ3cm
    幅1cmの細長い巻き貝。ゲンジボタルの幼虫期の餌となります。
    指標性
    比較的緩やかな流れの小川,池などに生息する。市内では,谷津田からしみ出した水が流れる水路で見られ,コンクリート水路で見られることもある。生息には,植物性の有機物や付着藻類が豊富なことが重要である。また,ゲンジボタルの幼虫期における餌となる。なお,タニシ類やモノアラガイ類よりきれいな水に住む貝の指標性がある。

  2. タニシ類
    タニシ類
    特徴
    卵円形の巻き貝
    殻の高さと幅:
      オオタニシは6.5cm,4.5cm
      マルタニシは6cm,4.5cm
      ヒメタニシは3.5cm,2cm
    ヘイケボタルの幼虫期の餌となります。
    指標性
    水田や池に生息し,泥底や植物に付着した藻類などを食べる。水質汚濁に比較的強い種類もいる。また,ヘイケボタルの幼虫期の餌となる。

  3. モノアラガイ類
    モノアラガイ類
    特徴
    殻が薄い卵形の巻き貝
    ヒメモノアラガイは,殻の高さ1cm,幅0.8cm
    ヘイケボタルの幼虫期の餌となります
    指標性
    水田や池,川のよどみに生息し,水際に水生植物が繁茂している場所を好む。落ち葉や付着藻類などを食べる。また,ヘイケボタルの幼虫期の餌となる。モノアラガイは水質汚濁に弱く,近年減少しているが,ヒメモノアラガイは比較的水質汚濁に強く,雨期に一時的にできる水辺でも生息するため各地で見られる。


トンボ類の環境指標性

トンボ類は移動能力が比較的高く,幼虫,成虫(未成熟時,成熟時)と成長段階に応じて生息する環境が異なる。今回調査対象に選んだトンボ類は,ため池に水生植物が生育し,適度に管理されていること,水路に安定した水量・水質の水が流れていること,餌を捕食して生息できる林があることなどの指標性がある種とした。
  1. オニヤンマ
    オニヤンマ
    特徴
    体長9~10cm
    日本で一番大きなトンボ。体色は黒地に黄色の縞模様があり,成熟個体の複眼はエメラルドグリーン。
    指標性
    本種の生息は,一年中水が緩やかに流れ,底に砂泥がある水路と,その近くに林や藪の環境が存在することを示す。同様の環境は,多くの水生昆虫やカエル類といった里山の水辺における生物にとっても重要であるが,圃場整備や河川改修の工事の影響により減少している。幼虫期は5年といわれており,一定期間安定した水量・水質の水が流れている必要がある。

  2. ギンヤンマ類
    特徴
    体長7cm
    成熟した個体は胸が明るい緑色。腹部の付け根の色は,雄が水色,雌が緑色。
    指標性
    里山の特徴的な環境要素であるため池に生息する代表的なトンボである。水生植物にため池の水面が覆われると減少するが,逆に水生植物がないと産卵や羽化が出来ないという特徴をもつ。このことから,適度に管理されたため池の指標となる。

  3. ハグロトンボ
    ハグロトンボ
    特徴
    体長6cm
    羽根が黒く,雄の体色は全体的に黒く,腹部の背面が金属光沢をもった緑色。雌は黒褐色。
    指標性
    本種の生息は,水生植物(特に沈水植物)の茂る安定した緩やかな流れと,薄暗い林が隣接した環境の存在を示す。かつては普通に見られたが,生息環境の減少により,個体数が減っている。


水生植物の環境指標性

今回調査対象に選んだ水生植物は,農薬汚染や水質汚濁の影響を受けるものと,水位の変動する不安定な環境に適して生育するものである。これらの植物が生育する環境は,カエル類や昆虫類などの生息にも適していると考えられる。
  1. イチョウウキゴケ
    イチョウウキゴケ
    特徴
    3cm程度
    水田,休耕田,池,湿地などの水面に浮いて見られるコケの仲間(浮遊植物)である。裏側に黒い根が密生している。
    指標性
    農薬や水質汚濁の影響などにより減少しており,全国版レッドデータブックの絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)に選定されている。本種の生育は,農薬汚染や水の汚れが少ないことを示す。

  2. オオアカウキクサ
    オオアカウキクサ
    特徴
    2cm程度
    水田や水路,湖沼などに見られるシダの仲間で,赤みを帯びた浮遊植物である。浮き草などに比べ多少,厚みがある。
    指標性
    農薬や水質汚濁の影響などにより減少しており,全国版レッドデータブックの絶滅危惧Ⅱ類(VU)に選定されている。本種の生育は,農薬汚染や水の汚れが少ないことを示す。

  3. タコノアシ
    タコノアシ
    特徴
    河原,湿地,池,水田,休耕田など,水位の変動する不安定な環境に生育する湿性植物(多年草)である。ヨシやガマ,セイタカアワダチソウなどと混生することがある。
    指標性
    開発や土地造成による生育地の消失,大型抽水植物などへの植生遷移の影響により,減少傾向にある。全国版レッドデータブックの絶滅危惧Ⅱ類(VU)に選定されている。本種の生育は,かつてはどこにでも見られた植生の遷移初期の湿地であることを示す。様々な遷移段階の水辺があることで,生物多様性は高くなる。

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