万が一に備えて食料等を備蓄することは、風水害や地震などの災害対策としてだけではなく、感染症のまん延時に自宅療養となった場合の備えとしても重要です。
1週間分の備蓄を目安に、食料や日用品等の確認や、事前の準備を行いましょう。
ネットスーパーや、電話で食料を注文できるお店など、普段から確認・登録しておくことも備えにつながります。
備蓄しておきたい物品
新型コロナウイルス感染症のまん延当時において、実際に自宅療養をされていた皆さまからの声もあわせてご紹介します。もしもの時の備えにご参考になれば幸いです。
1)長期保存が可能な食品
米、乾麺、レトルト食品、缶詰、水、ペットボトル飲料、子どものミルクやベビーフードなど
<こんなお声がありました>
- 喉が痛いので、飴やゼリー飲料があると良かった。
- 調理ができる体調ではないため、レトルトのおかゆは重宝する。
2)日用品
ティッシュペーパー、トイレットペーパー、衣類洗剤、台所用洗剤、ビニール袋・ゴミ袋、生理用品、子どものおむつなど
<こんなお声がありました>
- セールを待っていて、子どものおむつのストックを買っていなかった。
- 下痢症状のため、普段よりトイレットペーパーの消費が多く、療養期間中に足りなくなった。鼻水も増えたため、ティッシュペーパーが不足した。
3)感染予防品
使い捨てマスク、使い捨てゴム手袋、アルコール消毒液、塩素系漂白剤など
<こんなお声がありました>
- 買い物に行ける家族は全員発症している。小さな子どもや高齢者などの家族へ、家庭内でさらに感染が広がらないようマスクや消毒液が必要だが、買い置きでは足りなくなった。
4)看護用品
体温計、冷却材(氷枕、水枕など)、常備薬(風邪薬や解熱鎮痛剤、胃腸薬)など
自宅療養者の看病をする際に、家庭内で気をつけたいこと
その1 家庭内で感染をさらに広めないために
- 換気をする
・感染者のいる部屋だけでなく、共有スペースやその他の居室なども、十分に換気する。 - 部屋を分けられる場合
個室に移し、食事や寝るときも別室にする。 - 部屋を分けられない場合(小さなお子さんがいる方等)
・少なくとも2mの距離を保つ。
・仕切りやカーテンなどを設置する。 - お世話をする人を決めておく(できれば1人)
・基礎疾患のある方や妊婦の方、免疫の低下した方は、お世話を避ける。
・家族全員が感染した場合に備えて、家庭以外で、買い物等を手伝ってくれる人やサービスを考え、事前に相談や手続きをしておく。 - マスクを着用する(家族全員)
・使用したマスクは、他の部屋に持ち出さない。
・マスクを外した後は、手を洗う。(及び消毒) - こまめに手洗いをする
・病原体がついた手で目や鼻、口を触ると、粘膜を介して感染する危険性があるため、こまめに石けんで手を洗う。
・ドアノブや扉など、肘、手の甲、手首で押すなどして開けられる場所は、なるべく手指で掴まないようにする。
・タオルなどは、洗浄前のものを共有しない。
その2 掃除や家事で気を付けること
- 手で触れる部分を消毒する
・ドアの取っ手やノブ、ベッド柵など 薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム消毒液)で拭いた後、水拭きする。
・トイレや洗面所は通常の家庭用洗剤で掃除し、特に手に触れる場所(便座、ふた、ペーパーホルダー、取っ手など)をこまめに消毒する。 - 使用した物の洗浄、汚れたリネン・衣類の洗濯
・タオル、衣類、食器などは通常の洗濯・食器洗剤で洗浄する。
・おう吐物や体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う際には手袋とマスクを装着する。
・寝具の取り換え時には、汚れた表面に直接触れないように、表面を内側に折るようにしてシーツを外す。
・一般的な洗濯洗剤で洗濯した後、完全に乾かす。
・ノロウイルスの場合は、感染者が使ったり、おう吐物が付いたものは、他のものと分けて洗浄、消毒する。 - ゴミは密閉して捨てる
・鼻をかんだティッシュなどは、すぐにビニール袋に入れ、密閉して捨てる。
・ゴミを捨てるビニール袋は、2重にする。
・ゴミを触ったあとは、すぐに石けんで手を洗う。
その3 消毒液について
- 次亜塩素酸ナトリウム消毒液を自作する場合は、安全に、正しく使う
・塩素系漂白剤を希釈して作る次亜塩素酸ナトリウム消毒液は、日光や空気に触れることで、時間がたつにつれて効果が弱まる。その都度少量ずつ作り、短期間に使い切る。
・金属に対して腐食性がある。金属製のドアノブなどに使用した場合は、使用後にしっかりと水拭きで拭き取る。
・雑巾などにたっぷりつけて、絞ってから拭き取る。スプレーで噴霧すると、消毒液を吸い込んでしまう恐れがあり、スプレーボトルは使用しない。
・消毒液をペットボトルなどに入れて使用する場合は、誤って飲むことがないないように、消毒液であることをはっきりと表示する。
・非常にアルカリ性が高いので、人体には使用しない(手指消毒などは不可)。皮膚についた時はすぐに水で十分洗い流す。 - アルコール消毒液を使用する場合は、濃度を確認
・濃度70%以上のエタノールを用いる。
ただし、60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えない。