BODやCODで表される有機性の汚濁物質は,標準活性汚泥法と呼ばれる一般的な下水処理法によってほとんどが取り除かれますが,富栄養化の原因物質である窒素(N)やリン(P)などは,標準活性汚泥法では十分に取り除くことができません。
この標準活性汚泥法では十分に取り除けない窒素やリンを取り除くことを,高度処理といいます。(目に見えないような浮遊物質(SS)を取り除くことも高度処理といいます。)
茨城県が管理している霞ケ浦浄化センターでは,反応タンクと急速ろ過池において高度処理を行っています。
高度処理の方法 | 除去対象物質 | |
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反応タンク | 凝集剤添加活性汚泥法 | リン |
嫌気-無酸素-好気法(A2O法) | 窒素・リン | |
凝集剤併用型循環式硝化脱窒法 | 窒素・リン | |
急速ろ過池 | 急速ろ過法 | SS |
用語の説明
BOD (Biochemical Oxygen Demand)
生物化学的酸素要求量といい,微生物が水中の汚れ(有機物)を分解してきれいにするのに必要とする酸素の量を,mg/Lの単位で表します。主に河川の汚れぐあいを表す指標として使われます。
COD (Chemical Oxygen Demand)
化学的酸素要求量といい,過マンガン酸カリウムが有機物と反応するときに必要とする酸素の量を,mg/Lの単位で表します。主に湖沼や海の汚れぐあいを表す指標として使われます。
SS (Suspended Solid)
浮遊物質または懸濁物質といい,水に溶けずに浮遊している有機物や無機物の小さな汚れをいいます。mg/Lの単位で表します。