おしらせ
HPVワクチン接種について
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触の経験がある女性のほとんどが生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年では若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。
HPVに感染すると、ウイルスは自然に排出されることが多いですが、そのまま留まることもあります。長い間排除されずに感染したままでいると一部に子宮頸がんが発生することがあります。
HPVへの感染を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に定期接種が行われています。
令和5年4月から、9価(シルガード9)が追加されました。(9価ワクチンについては、こちらをご覧ください。)
もくじ
2 土浦市の対応
(1)対象者
(2)接種期間
(3)費用
(5)接種回数
(7)接種場所
(8)注意事項
6 子宮頸がんの予防・早期発見のために…子宮がん検診を受けましょう
1 接種勧奨の再開について(厚生労働省の通知)
- 令和3年11月26日厚生労働省の通知により、HPVワクチンの接種勧奨を再開することとなりました。
これは、国の検討部会において、HPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、ワクチン接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたためです。 - また、令和3年12月28日の通知において、接種対象者等に対して接種について検討・判断するための適切かつ十分な情報が提供されること、接種を希望する者が滞りなく定期接種を完了できること、ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種後に体調の変化等の症状が生じた方(以下「接種後有症状者」という。)に対して必要な支援が円滑に提供されることが重要として、体制強化に取り組むこととしています。
ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の今後の対応について(厚生労働省)
ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種を進めるに当たっての相談支援体制・医療体制等の維持、確保について(厚生労働省)
- これまでの経緯:
HPVワクチンは平成25年4月1日から定期予防接種として実施していますが、接種後の痛みや運動障害などの多様な症状の報告が相次いだことから、厚生労働省は、同年6月14日から現在まで、積極的な接種勧奨を差し控えていました。
このことにより、HPVワクチンの接種率は大きく低下しました。一方では、接種率の低い世代における子宮頸がん患者が今後増加することが懸念されています。
2 土浦市の対応
- 市は令和4年度から接種勧奨を再開し、対象となる方へ「HPVワクチンに関するご案内」と「接種に必要な予診票」を送付しています。
※キャッチアップ接種についても、令和4年4~6月に、対象となる方へご案内や予診票を送付しています。 - 転入または紛失により、お手元に予診票がない定期またはキャッチアップ接種対象の方は、窓口または郵送、もしくはインターネットで予診票を再発行しています。窓口の場合は母子健康手帳をお持ちください。
- 接種を希望する方が安心して接種できるよう、協力医療機関と連携を図りつつ、適切な情報提供に努めます。
私の大切な身体を守るために。
子宮頸がんと、その予防ワクチンを知ることからはじめましょう。
3 情報・相談窓口について(各種リンク)
(1)子宮頸がんについて ※リーフレットに記載の9価ワクチンは、令和5年4月から定期接種に追加されました。
- (2025年2月改定版)リーフレット(小学6年生~高校1年生相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ・概要版)
- (2025年2月改定版)リーフレット(小学6年生~高校1年生相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ・詳細版)(市では予診票とともに配布しています。)
- (2024年2月改定版)9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(定期接種版)
- 子宮頸がん予防ワクチンQ&A(厚生労働省)
- HPV予防接種拠点病院整備事業中国・四国ブロック作成「HPVワクチンって?」(YouTube)
- 「知ってください ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸がんのこと」(国立がん研究センター)
(2)HPVワクチンを受けた方へのご案内
- HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ(厚生労働省リーフレット)(市では予診票とともに配布しています。)
(3)HPVワクチンを受けた後の症状に関するご相談
- 接種を行った医療機関
- 土浦市健康増進課 電話 029-826-3471
- (医療・救済などに関すること)茨城県感染症対策課:子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)について(茨城県ホームページ。中頃「茨城県の相談窓口」に掲載あり)
- (学校生活に関すること)茨城県教育委員会(教育庁学校教育部保健体育課健康教育推進):子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)について(茨城県ホームページ。中頃「茨城県の相談窓口」に掲載あり)
(4)HPVワクチンを受けた後の症状に関する受診や診療のご相談
- 接種を行った医療機関
- ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口一覧(厚生労働省)
(参考)ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関について(厚生労働省)
(5)健康被害救済制度について
- 子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)による健康被害救済について(茨城県ホームページ)
- 予防接種健康被害救済制度について(厚生労働省ホームページ)
- 土浦市「予防接種による健康被害救済制度について」
4 定期予防接種について
(1)対象者
接種時に土浦市に住民登録がある 小学校6年生から高校1年生相当年齢の女子
(令和6年度においては、平成20年4月2日~平成25年4月1日生まれ)
※標準的な接種年齢は中学1年生
- まだ1回も接種していません。標準的な接種年齢は中学1年生とありますが、いつ頃までに接種をしたらいいの?
HPVワクチンは、性的接触の経験前に接種することが望ましいとされております。(HPVは一度でも性的接触の経験があれば、誰でも感染する可能性があります。)
また、子宮頸がんは若い方でも罹患する可能性があるがんです。
現在実施されている「キャッチアップ接種」も令和6年度で終了します。定期接種の対象年齢(小学校6年~高校1年相当)の間で、性的接触を経験する前には、HPVワクチンを接種することをお勧めしています。
しかし、接種にまだ不安がある段階や、体調が優れない時に、無理に接種を進める必要はありません。
学校行事や受験など様々な行事との兼ね合いや、その時々の体調も考慮しながら、接種時期については、保護者の方とお子さんでよくご相談のうえ、接種を進めましょう。
そして、接種を進めた場合も、接種を見送る場合も、20歳を過ぎたら子宮頸がん検診を定期的に受けましょう。
(2)接種期間
小学校6年生の4月1日から高校1年生相当になる年度の3月31日まで
※通常、全3回の接種の完了までには約6か月の期間がかかります。接種期間内に終わるよう、計画的に接種を進めましょう。
(3)費用
無料(対象者が接種期間内に、市の予診票を使って接種した場合)
※接種期間を超えたり、土浦市民でなくなった場合には土浦市の予診票は使用できません。
(4)持っていくもの・予診票の再発行
母子健康手帳、土浦市民であることが確認できるもの(健康保険証や医療福祉費受給者証(マル福)など)
予診票
※予診票を紛失した方や、転入した方へ
市から交付された予診票を紛失された場合や、転入によりお手元に市の予診票がない場合は、母子健康手帳にて接種履歴を確認したうえで、予診票を再発行します。
再発行をご希望の方は、健康増進課窓口へ母子健康手帳をお持ちください。(郵送によるお手続きをご希望の方は、健康増進課へお問合せください。)
インターネットでも(再)発行手続きが可能です。お手元に母子健康手帳をご準備の上、こちらからお手続きください。
※郵送及びインターネットでの再発行手続きは、郵送でのやりとりとなりますので、日程に余裕をもってお申込みください。
(5)接種回数
- 初めて接種を開始する方は、「標準的なスケジュール」に沿って進めましょう。
- HPVワクチンを過去に1回又は2回接種した後、しばらく接種を中断していた方や、標準的なスケジュールでは対象年齢内での接種が難しい方(高校1年生相当年齢の方で、10月以降に接種を始める場合)などは、「標準的なスケジュールで接種できない場合のスケジュール」で残りの接種を進めましょう。
予防接種の種類 | 接種回数 | 標準的なスケジュール | 標準的なスケジュールで接種できない場合のスケジュール |
サーバリックス (2価) |
3回 | 初回接種後、1か月あけて2回目を接種し、1回目から6か月あけて3回目を接種 | 1回目から1か月以上の間隔をおいて2回目を接種した後、1回目の接種から5か月以上、かつ2回目の接種から2か月半以上の間隔をおいて3回目を接種 |
ガーダシル (4価) |
3回 |
初回接種後、2か月あけて2回目を接種し、1回目から6か月あけて3回目を接種 |
1回目から1か月以上の間隔をおいて2回目を接種した後、3か月以上の間隔をおいて3回目を接種 |
シルガード9
|
2回で終えたい方 |
1回目を15歳の誕生日までに受けて、1回目から6か月の間隔をあけて2回目を接種 |
1回目を15歳の誕生日までに受ける場合においては、1回目から少なくとも5か月以上の間隔をあけて2回目を接種 ●必要な間隔をおくことで、2回目の接種が15歳以降となっても構いません |
シルガード9 (9価)※ |
3回 |
(1)~(3)のいずれかの場合は、初回接種後、2か月あけて2回目を接種し、1回目から6か月あけて3回目を接種(ガーダシル・4価と同じ) |
1回目から1か月以上の間隔をおいて2回目を接種した後、3か月以上の間隔をあけて3回目を接種(ガーダシル・4価と同じ) ●上の欄の「2回で終えたい方」のスケジュールで終えた方でも、2回目から3か月以上の間隔をあけて3回目を接種することも可能です。 |
※シルガード9(9価ワクチン)は、令和5年4月から定期接種の対象となりました。
※9価ワクチン追加に伴う市の対応は、こちらをご覧ください。
(6)異なるワクチンを接種する際の接種間隔について
異なるワクチンとの接種間隔に制限はありません。
詳しくはこちらをご覧ください。
(7)接種場所
市内医療機関一覧はこちら
県内協力医療機関(茨城県医師会ホームページ)
※事前にお電話で予約をしましょう。
※茨城県外の医療機関で接種する場合には、償還払いにより公費助成額を上限に還付いたします。事前に(接種する10日前までに)健康増進課へ電話連絡をお願いします。詳細はこちらをご覧ください。
(8)注意事項
- 体調のすぐれない時には、無理をせずに接種の延長を検討しましょう。
- この予防接種により期待される効果や、予想される副反応などについて、接種を受けるご本人もよく理解したうえで受けましょう。
ご不明な点や気になる点は、接種を受ける前にかかりつけ医(接種医療機関)にご相談ください。 - 13歳以上の場合、保護者の同意署名記入により、お子さんだけでの接種も可能です。
16歳以上の方は、予診票の同意欄は、被接種者の同意署名で接種が可能です。
しかしながら、接種後に急な体調変化を来たす恐れもありますので、ご家族の方などの同伴があると安心でしょう。
5 キャッチアップ接種について(厚生労働省の通知)
- 令和3年12月28日厚生労働省の通知により、HPVワクチンの積極的な勧奨の差控えにより接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保する観点から、積極的な勧奨を差し控えている間に定期接種の対象であった平成9年度生まれから高校2年生相当年齢の女子を対象に、キャッチアップ接種を行うこととなりました。
詳しくは「キャッチアップ接種についてのページ」をご覧ください。
6 子宮頸がんの予防・早期発見のために…子宮頸がん検診を受けましょう
HPVワクチンで全てのHPV感染を予防することはできません。
子宮頸がん検診を定期的に受けることで、がんになる過程の異常(異形成)やごく早期のがんを発見し、経過観察や負担の少ない治療につなげることができます。
ワクチン接種を受けた方も、接種を見送った方も、20歳になったら定期的にがん検診を受けましょう。
7 9価ワクチン(シルガード9)について
9価(シルガード9)は、令和5年4月から定期接種に導入されました。
また、15歳の誕生日を迎えるまでに9価で1回目を接種し、1回目から6か月~12か月(少なくとも5か月以上)の間隔を置いて、9価で2回目を接種することで、2回で接種を完了することができるようになりました。
【参考】(2024年2月改定版)9価の「HPVワクチン」を公費で受けられるようになりました
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について(厚生労働省ホームページ)
第41回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料(厚生労働省 令和4年11月18日)
第53回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会資料(厚生労働省 令和5年3月1日)
土浦市民においては、発行済みの予診票は引き続き使用できます。
市では、令和5年3月下旬、市が保有する接種歴情報に基づき、接種が完了していない方へ、詳しいご案内をお送りしました。(転入された方や、最近接種された方は、市に履歴がないため、ご案内が重複する可能性があります。ご不要の場合は、届いたご案内は破棄してください。)
ご案内には、お手元の予診票に、9価を記載する欄を追加するシールを同封しました。9価の接種を希望する方は、ご案内に同封のシールを、予診票の「今回の接種回数」に重ねて貼り付けて、予診票をご使用ください。
また、9価ワクチンで2回目、3回目を接種する方は、予診票の質問事項「これまでに受けた子宮頸がん予防ワクチンの接種日を記入してください」に、過去の接種に使用したワクチン名も記載していただけると、医療機関での確認がスムーズになりますので、ぜひご協力ください。
- 既に2価または4価ワクチンで接種を始めています。残りの回数に、9価ワクチンを使用することは出来るの?
「交互接種」については、同じ種類のワクチンで接種を完了することを原則としますが、2価または4価ワクチンを使用して接種を開始した方が、残りの回数を9価ワクチンで行うことについても、安全性と免疫原性が一定程度明らかとなっていることや、海外での取り扱いを踏まえ、適切な情報提供に基づき、医師と被接種者等がよく相談した上であれば、実施して差し支えありません。
原則は・・・1回目~3回目を同じワクチンで完了(2-2-2、4-4-4、9-9-9)
ただし、適切な情報提供のうえ、医師と予防接種を受ける方でよく相談したうえで実施して差し支えなし。
・・・1回目2価または4価、2回目2価または4価、3回目9価(2-2-9、4-4-9)
1回目2価または4価、2回目9価、3回目9価(2-9-9、4-9-9) - 15歳未満です。既に2価または4価ワクチンで1回目接種を受けました。1回目から5か月以上の間隔が空いていれば、これから9価で2回目を接種する場合でも、2回で完了できるの?
交互接種を行う場合は、全3回の接種が必要です。(2-9-9、4-9-9)
2回で完了できるのは、『15歳未満で1回目を9価ワクチンで接種し、少なくとも5か月以上の間隔を置いて、2回目を9価ワクチンで接種する方』です。
※15歳以上で接種を始める方は、9価ワクチンを使用した場合でも3回接種します。
8 男性とHPVワクチン
HPVは、子宮頸がん以外にも、肛門のがんや尖圭コンジローマの発症にも関係があります。
HPVは性交渉により感染するため、男性も予防接種をすることで、このような病気の予防につながります。
国内では、現在、任意(自費)接種にて、9歳以上の男性は4価ワクチンを接種することができます。
国は、令和4年8月4日の審議会において、HPVワクチンの男性への接種を、定期の予防接種に位置付けることについて、有効性や費用対効果などをこれから評価・検討する、としています。
【参考】第19回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会資料(厚生労働省)