東日本大震災に伴う市・県民税の雑損控除について
震災により住宅や家財などの資産に損害を受けた方が,市・県民税の税額の軽減を受けることができる雑損控除についてご案内します。
雑損控除とは
震災や風水害などの災害や盗難・横領によって生活用の資産に損害を受けた場合に,損失額に基づいて計算した金額を所得金額から差し引くことができる所得控除の制度です。
所得控除には,社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除などがあり雑損控除もその中のひとつです。
なお,所得税や市・県民税の税額は,基本的に(所得金額-所得控除)×税率=税額の式で計算しますので,税額から雑損控除額を直接差し引くものではありません。
減額となる税額の目安は,概ね雑損控除額×税率になります。
東日本大震災に伴う特例
○納税者の選択により,大震災による雑損控除を平成23年度市・県民税に適用することができます。
○損失額が,その年の所得金額から控除しきれない場合には,翌年分以後5年間繰り越して控除することができます。
対象となる資産について
納税者自身が所有する資産または納税者と生計を一にする配偶者その他の親族(所得金額が38万円以下の者)が所有する資産のうち,生活に通常必要な資産です。
対象となる資産(例) | 対象とならない資産(例) |
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控除額の計算方法について
次の(1)と(2)のいずれか多い方の金額になります。
(1)=差引損失額-所得金額(注)の10%
(2)=差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
(注)所得金額:総所得金額,退職所得金額及び山林所得金額の合計額
※差引損失額とは
差引損失額=損失金額+災害関連支出の金額-保険金などで補てんされる金額
※損失金額とは
損害を受けたときの直前における資産の時価を基に計算した損害額
※災害関連支出の金額とは
(1)滅失・損壊した住宅,家財などの取り壊し・除去のために支出した費用
(2)土砂・障害物の除去のために支出した費用
(3)原状回復のために支出した費用(修繕費用)
(修繕費用のうち,原状回復のための支出と資本的支出{被災直前より資産の価値を高め,耐久性を増すための支出}にわけることが困難な場合,支出額の30%相当額を原状回復のための支出とすることができます)
(4)損壊や被害拡大の防止のための費用
※保険金などで補てんされる金額とは
災害に関して受け取った保険金,損害賠償金,土浦市東日本大震災被災住宅修繕助成金などの金額
損失金額の計算方法について
損失金額は,損害を受けた個々の資産について次の式により計算します。
損失金額=被災直前の資産の時価-被災直後の資産の時価
ただし,損害を受けた資産について,個々に損失金額を計算することが困難な場合には以下の方法(損失額の合理的な計算方法)により計算することができます。
(1)住宅の損失金額の計算
(1)住宅の取得価額が明らかな場合
損失金額=(取得価額-減価償却費(注1))×被害割合(注2)
(2)住宅の取得価額が不明な場合
損失金額=〔(1m2あたりの工事費用(注3)×総床面積)-減価償却費〕×被害割合
(2)家財の損失金額の計算
(1)家財の取得価額が明らかな場合
損失金額=(取得価額-減価償却費)×被害割合
(2)家財の取得価額が不明な場合
損失金額=家族構成別家財評価額(注4)×被害割合
(3)車両の損失金額の計算
損失金額=(取得価額-減価償却費)×被害割合
(注1)
減価償却費の計算では,通常の耐用年数を1.5倍した年数により計算します。
(注2)
被害割合
被害区分 | 被害割合 | 摘要 | |
---|---|---|---|
住宅 | 家財 | ||
全壊 (倒壊に準じるものを含む) |
100% | 100% | 住宅の残存部分に補修を加えても,再び住宅として使用できない場合 |
100% | 100% | 住宅の主要構造部の被害額が時価の50%以上,または損失部分の床面積が総床面積の70%以上の場合 | |
半壊 | 50% | 50% | 住宅の主要構造部の被害額が時価の20%以上50%未満,または損失部分の床面積が総床面積の20%以上70%未満で残存部分を補修すれば再び使用できる場合 |
一部損壊 | 5% | 5% | 住宅の主要構造部の被害が半壊程度には達しないが,相当の復旧費を要する場合 |
※車両の被害割合については,上記を参考に,個々の被害状況をふまえて適用します。
(注3)
1m2あたりの工事費用(全国平均)
木造 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 | 鉄筋コンクリート造 | 鉄骨造 |
---|---|---|---|
158,000円 | 214,000円 | 198,000円 | 195,000円 |
(注4)
家族構成別家財評価額
世帯主の年齢 | 夫婦 | 独身 |
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~29歳 | 500万円 | 300万円 |
30~39歳 | 800万円 | |
40~49歳 | 1,100万円 | |
50歳~ |
1,150万円 |
(注)大人(年齢18歳以上)1名につき130万円を,子供(年齢18歳未満)1名につき80万円を加算します。
雑損控除の手続き方法について
雑損控除については,原則として,市の申告相談会場で相談することはできません。
ただし,東日本大震災で被害を受けた方で,事前に雑損控除の計算書を作成し持参した方は申告を受付できます。
雑損控除の申告をされる方は,事前に土浦税務署または国税庁ホームページ等で必ず計算書を作成し持参して下さい。