お知らせ
HPVワクチン<キャッチアップ接種>について
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。
HPVに感染すると、ウイルスは自然に排出されることが多いですが、そのまま留まることもあります。長い間排除されずに感染したままでいると一部に子宮頸がんが発生することがあります。
HPV感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に定期接種が行われていますが、令和4年度から6年度の3年間に限り、HPVワクチンの積極的な勧奨の差控えにより接種機会を逃した方を対象に、「キャッチアップ接種」を実施しています。
もくじ
8 子宮頸がんの予防・早期発見のために…子宮がん検診を受けましょう
1 キャッチアップ接種について(厚生労働省の通知)
- 令和3年12月28日厚生労働省の通知により、HPVワクチンの積極的な勧奨の差控えにより接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保する観点から、積極的な勧奨を差し控えている間に定期接種の対象であった平成9年度生まれから平成17年度生まれ(※)までの女子を対象に、キャッチアップ接種を行うこととなりました。
(※)令和5年度は平成18年度生まれ、令和6年度は平成19年度生まれが加わりました。 - HPVワクチンは、子宮頸がんの原因であるHPVへの感染を予防します。16歳頃までに接種するのが最も効果が高いですが、それ以上の年齢で接種しても、ある程度の有効性があることが国内外の研究で示されています。希望される方は、なるべく早く接種しましょう。
【参考】厚生科学審議会予防接種・ワクチン分におけるキャッチアップ接種に関する議論について(厚生労働省)
(令和6年2月改定版)リーフレット(平成9年度生まれ~平成19年度生まれまでの女性へ大切なお知らせ)(厚生労働省リーフレット) ※令和6年度版です。記載のある9価ワクチンは、令和5年4月からキャッチアップ接種に追加されました。
- 実施期間は、令和4年4月から令和7年3月末まで。
- 市は、令和4年4月から6月にかけて、市で管理する接種履歴に基づき、対象となる方へご案内・予診票を送付しました。
《お願い》手元に定期接種用の予診票がある場合でも、令和4年4月以降は、キャッチアップ接種対象年齢の方は、右上に「キャッチアップ接種対象者」と記載のある予診票をお使いください。
2 接種勧奨の再開について(厚生労働省の通知)
- 令和3年11月26日厚生労働省の通知により、HPVワクチンの接種勧奨を再開することとなりました。
これは、国の検討部会において、HPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、ワクチン接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたためです。 - また、令和3年12月28日の通知において、接種対象者等に対して接種について検討・判断するための適切かつ十分な情報が提供されること、接種を希望する者が滞りなく定期接種を完了できること、ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種後に体調の変化等の症状が生じた方(以下「接種後有症状者」という。)に対して必要な支援が円滑に提供されることが重要として、体制強化に取り組むこととしています。
ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の今後の対応について(厚生労働省)
ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種を進めるに当たっての相談支援体制・医療体制等の維持、確保について(厚生労働省)
- これまでの経緯:
HPVワクチンは平成25年4月1日から定期予防接種として実施していますが、接種後の痛みや運動障害などの多様な症状の報告が相次いだことから、厚生労働省は、同年6月14日から現在まで、積極的な接種勧奨を差し控えていました。
このことにより、HPVワクチンの接種率は大きく低下しました。一方では、接種率の低い世代における子宮頸がん患者が今後増加することが懸念されています。
3 土浦市の対応・各種リンク
- 市は令和4年度から接種勧奨を再開し、令和4年度から順次、対象となる方へのご案内や予診票を送付しています。
令和4年6月上旬において土浦市に住民登録のある方には、ご案内(予診票同封)を発送しています。
以降に転入された方には、随時、予診票発行についてのご案内をお送りしています。 - 接種を希望する方が安心して接種できるよう、協力医療機関と連携を図りつつ、適切な情報提供に努めます。
- 今後、実施内容に変更があった場合は、ホームページにてご案内いたします。
- キャッチアップ対象年齢の方で、過去に、定期接種対象年齢を超えてから(高校2年生相当年齢以上)、2価(サーバリックス)または4価(ガーダシル)ワクチンを、任意(自費)で接種を受けた方へ、償還払い対応を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。
これまでに転出入のあった方は、令和4年4月1日に住民登録があった市区町村において償還払いを実施いたしますので、詳細は、その市区町村へお問い合わせください。
※過去に任意で接種した方への償還対応について、市は、9価(シルガード9)は償還払いの対象外です。市区町村によって実施状況は異なります。
私の大切な身体を守るために。
子宮頸がんと、その予防ワクチンを知ることからはじめましょう。
HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ(厚生労働省リーフレット)
茨城県ホームページ 子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)による健康被害救済について
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口一覧(厚生労働省)
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関について(厚生労働省)
4 HPVワクチン(キャッチアップ接種)
(1)対象者
接種時に土浦市に住民登録がある 平成9年度~平成18年度生まれの女性で、任意での接種回数を含めて、3回の接種が完了していない方
(平成9年4月2日~平成19年4月1日生まれ)
※令和6年度には平成19年度生まれが対象者に加わります。
(2)接種期間
令和4年4月1日~令和7年3月31日まで
※通常、全3回の接種の完了までには約6か月の期間がかかります。
実施期間(~令和7年3月31日)内に終わるよう、計画的に接種を進めましょう。
(3)費用
無料(対象者が接種期間内に、市の予診票を使って接種した場合)
※実施期間(~令和7年3月31日)を超えたり、土浦市民でなくなった場合には、土浦市の予診票は使用できません。
(4)持っていくもの・予診票の再発行
母子健康手帳、土浦市民であることが確認できるもの(運転免許証、健康保険証や医療福祉費受給者証(マル福)など)
予診票
※予診票を紛失した方や、転入した方へ
市から交付された予診票を紛失された場合や、転入によりお手元に市の予診票がない場合は、母子健康手帳にて接種履歴を確認したうえで、予診票を(再)発行します。
予診票の(再)発行をご希望の方は、健康増進課窓口へ母子健康手帳をお持ちください。(郵送によるお手続きをご希望の方は、健康増進課へお問合せください。)
インターネットでも予診票の(再)発行手続きができるようになりました。お手元に母子健康手帳など接種履歴がわかるものをご準備の上、こちらからお手続きください。
※郵送及びインターネットでのお手続きは、郵送でのやりとりとなりますので、日程に余裕をもってお申込みください。
※令和5年4月以降に9価ワクチンを接種する場合でも、市では、これまでに発行された予診票を引き続き使用できるよう対応しています。市の履歴に基づき、接種が完了していない方へ、令和5年3月下旬、詳しいご案内をお送りしました。
※母子健康手帳の紛失等の理由で、予防接種の履歴を知りたい方は、予防接種履歴情報を交付することができます。
こちらからお手続きください。
接種する際には、これまでの接種履歴の確認が必要となります。定期接種(小学校6年生~高校1年生相当年齢)の頃にお住まいの市区町村に加えて、キャッチアップ接種が開始した令和4年4月以降にお住まいの市区町村へ、接種履歴の確認をお願いします。履歴確認のお手続きについて、ご不明な点は健康増進課へお問い合わせください。
(5)接種回数
- 初めて接種を開始する方は、「標準的なスケジュール」に沿って進めましょう。
- HPVワクチンを過去に1回又は2回接種した後、しばらく接種を中断していた方や、標準的なスケジュールでは対象年齢内での接種が難しい方(10月以降に接種を始める場合)などは、「標準的なスケジュールで接種できない場合のスケジュール」で接種を進めましょう。
予防接種の種類 | 接種回数 | 標準的なスケジュール | 標準的なスケジュールで接種できない場合のスケジュール |
サーバリックス (2価) |
3回 | 初回接種後、1か月あけて2回目を接種し、1回目から6か月あけて3回目を接種 | 1回目から1か月以上の間隔をおいて2回目を接種した後、1回目の接種から5か月以上、かつ2回目の接種から2か月半以上の間隔をおいて3回目を接種 |
ガーダシル (4価) |
3回 | 初回接種後、2か月あけて2回目を接種し、1回目から6か月あけて3回目を接種 | 1回目から1か月以上の間隔をおいて2回目を接種した後、3か月以上の間隔をおいて3回目を接種 |
シルガード9 (9価) ※令和5年4月~ |
3回 | 初回接種後、2か月あけて2回目を接種し、1回目から6か月あけて3回目を接種 | 1回目から1か月以上の間隔をおいて2回目を接種した後、3か月以上の間隔をおいて3回目を接種 |
※キャッチアップ接種対象者で、過去のに接種したワクチンの種類が不明な場合に限り、2価と4価ワクチンの交互接種が可能です。
接種履歴がご不明の場合は、当時に住んでいた市区町村や、接種を実施したと思われる医療機関へお問い合わせください。その上でもご不明の場合は、予防接種を行う医師へ、接種についてご相談ください。
※シルガード9(9価ワクチン)は令和5年4月から、キャッチアップ接種の対象となりました。9価ワクチン追加に伴う市の対応はこちらをご覧ください。
※過去にシルガード9による任意接種を行った方で、接種が完了していない方は、残りの回数(1~2回)について、キャッチアップ接種として接種できます。
5 異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔について
異なるワクチンとの接種間隔に制限はありません。
詳しくはこちらをご覧ください。
6 接種場所
市内医療機関一覧はこちら
県内協力医療機関(茨城県医師会ホームページ)
※事前に予約をしましょう。
※HPVワクチン接種を茨城県外の医療機関で接種する場合には、償還払いにより公費助成額を上限に還付いたします。事前に(接種する10日前までに)健康増進課へ電話連絡をお願いします。詳細はこちらをご覧ください。
※ご家族様へ:住民票と異なる住所にお住まいの場合でも、償還払いのお手続きにより、お住まいの近くの医療機関での接種が可能です。お手元にご案内が届きましたら、必ずご本人様へお届けください。
7 注意事項
- 体調のすぐれない時には、無理をせずに接種の延長を検討しましょう。
- この予防接種により期待される効果や、予想される副反応などについて、接種を受けるご本人もよく理解したうえで受けましょう。
ご不明な点や気になる点は、接種を受ける前にかかりつけ医(接種医療機関)にご相談ください。 - 16歳以上の方は、予診票の同意欄は、被接種者(予防接種を受ける人)の同意署名で接種が可能です。ただし、急な体調変化に備えて、ご家族の方などの同伴があると安心でしょう。
- 妊娠または授乳中の方は、基本的には、出産後の授乳を終えてから接種をしましょう。接種を中断した場合は、標準的なスケジュールで接種できない場合のスケジュールに沿って進めましょう。
8 子宮頸がんの予防・早期発見のために…子宮頸がん検診を受けましょう
HPVワクチンで全てのHPV感染を予防することはできません。
子宮頸がん検診を定期的に受けることで、がんになる過程の異常(異形成)やごく早期のがんを発見し、経過観察や負担の少ない治療につなげることができます。
ワクチン接種を受けた方も、接種を見送った方も、20歳になったら定期的にがん検診を受けましょう。
9 9価ワクチン(シルガード9)について
9価(シルガード9)は、令和5年4月から、予防接種法の規定によるHPVワクチン接種に導入されました。
接種回数や接種間隔は、4価ワクチン(ガーダシル)と同じです。
【参考】 9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について(厚生労働省ホームページ)
第41回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料(厚生労働省 令和4年11月18日)
(令和6年2月厚生労働省作成)9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(キャッチアップ版)
※令和6年度版です。記載のある9価ワクチンは、令和5年4月からキャッチアップ接種に追加されました。
土浦市民においては、これまでに発行されたキャッチアップ用予診票を引き続き使用できます。
市では、令和5年3月下旬、市が保有する接種歴情報に基づき、接種が完了していない方へ、詳しいご案内をお送りしました。(転入された方や、最近接種された方は、市に履歴がないため、ご案内が重複する可能性があります。ご不要の場合は、届いたご案内は破棄してください。)
ご案内には、お手元の予診票に、9価を記載する欄を追加するシールが同封されています。9価の接種を希望する方は、ご案内に同封のシールを、予診票の「今回の接種回数」に重ねて貼り付けて、予診票をご使用ください。
また、9価ワクチンで2回目、3回目を接種する方は、予診票の質問事項「これまでに受けた子宮頸がん予防ワクチンの接種日を記入してください」に、過去の接種に使用したワクチン名も記載していただけると、医療機関での確認がスムーズになりますので、ぜひご協力ください。
- 既に2価または4価ワクチンで接種を始めています。残りの接種に、9価ワクチンを使用することは出来るの?
2価または4価と、9価ワクチンの「交互接種」については、同じ種類のワクチンで接種を完了することを原則としますが、適切な情報提供に基づき、医師と被接種者等がよく相談した上であれば、実施して差し支えありません。
原則は・・・1回目~3回目を同じワクチンで完了(2-2-2、4-4-4、9-9-9)
ただし、適切な情報提供のうえ、医師と予防接種を受ける方でよく相談したうえで実施して差し支えなし。
・・・1回目2価または4価、2回目2価または4価、3回目9価(2-2-9、4-4-9)
1回目2価または4価、2回目9価、3回目9価(2-9-9、4-9-9)
10 男性とHPVワクチン
HPVは、子宮頸がん以外にも、肛門のがんや尖圭コンジローマの発症にも関係があります。
HPVは性交渉により感染するため、男性も予防接種をすることで、このような病気の予防につながります。
国内では、現在、任意(自費)接種にて、9歳以上の男性は4価ワクチンを接種することができます。
国は、令和4年8月4日の審議会において、HPVワクチンの男性への接種を、定期の予防接種に位置付けることについて、有効性や費用対効果などをこれから評価・検討する、としています。
【参考】第19回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会資料(厚生労働省)