令和6年度以降の市民税・県民税の主な改正についてお知らせします。
1.森林環境税の創設
【森林環境税(国税)について】
温室効果ガス排出削減目標の達成や自然災害防止を図るため、森林整備に必要な地方財源を確保することを目的に創設された国税です。森林環境税は、国内に住所を有する個人に対し、令和6年度から市民税・県民税均等割とあわせて1人年額1,000円が課税されます。
参考:総務省
【復興税について】
東日本大震災の教訓を踏まえ、緊急防災・減災事業を推進するため課税されていた市民税・県民税引き上げ分(年額1,000円)は令和5年度で終了するため、負担額に変更はありません。
※茨城県で既に導入されている「森林湖沼環境税」は、県内の湖沼・河川などの自然環境保全のために、平成20年度から令和8年度まで1人年額1,000円が課税される県税であり、国税である「森林環境税」とは別の税です。
【森林環境税(国税)と市民税・県民税の非課税基準の所得金額】
森林環境税 | 市民税・県民税 | |
扶養親族を有しないとき | 41.5万円以下 (給与収入で96.5万円以下) |
42万円以下 (給与収入で97万円以下) |
扶養親族を有するとき | 31.5万円×人数(本人+扶養親族等)+加算額28.9万円 以下 | 32万円×人数(本人+扶養親族等)+加算額28.9万円 以下 |
※どちらの税も障害者、未成年者、寡婦またはひとり親の方は、合計所得金額135万円以下の場合は非課税です。
2.上場株式等の配当所得等に係る課税方式の統一
上場株式等の配当所得や譲渡所得等は、これまで市民税・県民税と所得税において異なる課税方式を選ぶことができましたが、税制改正により課税方式が統一されることになります。
令和6年度(所得税では令和5年分確定申告)からは市民税・県民税と所得税とで異なる課税方式を選択することができなくなります。
所得税で特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得を確定申告すると、これらの所得は市民税・県民税においても所得に算入されます。
3.国外居住親族に係る扶養控除等の見直し
令和6年度より、扶養控除等の対象となる国外居住親族の要件が厳格化され、原則として30歳以上70歳未満の者が除外されることになりました。
ただし、次の方は対象に応じた書類をすべて提出または提示することで扶養控除等の対象とすることができます。(提出書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳文を含みます。)
なお、29歳以下または70歳以上の方が扶養控除を受けるための要件や、国外居住の配偶者が配偶者控除を受けるための要件については変更ありません。
- 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった方
【必要書類】・親族関係書類 ・送金関係書類 ・留学ビザ等書類 - 障害者
【必要書類】・親族関係書類 ・送金関係書類 - その納税義務者から前年中に生活費または教育費に充てるための支払を38万円以上受けている方
【必要書類】・親族関係書類 ・38万円以上の送金関係書類
親族関係書類とは、国外居住親族が居住者の親族であることを証するものをいいます。
(1)戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
(2)外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)
留学ビザ等書類とは、外国政府又は外国の地方公共団体が発行した国外居住親族に係る書類で、その国外居住親族が外国における留学の在留資格に相当する資格をもってその外国に在留することにより国内に住所及び居所を有しなくなった旨を証するものをいいます。
(1)外国における査証(ビザ)に類する書類の写し
(2)外国における在留カードに相当する書類の写し
送金関係書類とは、居住者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。
(1)金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住者に支払をしたことを明らかにする書類
(2)いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示等してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購入代金に相当する額の金銭をその居住者から受領し、又は受領することとなることを明らかにする書類